通知カードはマイナンバーを知らせる紙のカード、マイナンバーカードは本人確認や対応するオンラインサービスにも使えるICチップ付きのカードです。
スマホでマイナポータルへログインするときは、マイナンバーカードの電子証明書を使います。
通知カードには、この電子的な認証の機能がありません。
同じ12桁の番号が書かれていても、書類やカードの役割は違います。
「番号を知りたい」「番号を提出したい」「ネットで本人としてログインしたい」のどれをしたいかで、使うものが変わります。
たとえば、新しい勤務先へマイナンバーを提出する場面と、スマホで行政サービスへログインする場面を比べてみます。
前者では、提出する番号とその人の本人確認が必要です。
後者では、画面を操作している人が本人であることを電子的に確かめます。
紙の記載を確認することと、ICチップの機能を使うことには、この違いがあります。
「番号」と「カード」は、同じものではない
マイナンバーは、一人ひとりを識別する12桁の番号です。
マイナンバーカードは、その番号や氏名などを記載し、本人確認や電子的な手続きに利用するカードの名前です。
番号は個人を識別する情報、カードはその情報の確認や認証に使うもの、と捉えると関係が分かります。
通知カードは、マイナンバーを住民へ知らせるために交付されていた紙製のカードです。
氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載されており、顔写真はありません。
自分の番号を確かめる手掛かりにはなりますが、顔写真付きの本人確認書類として使うカードではありません。
マイナンバーカードは、顔写真付きのプラスチック製のカードです。
おもて面は本人確認書類として使え、裏面にはマイナンバーが記載されています。
さらにICチップが入っており、対応する機器で読み取ってオンラインの本人確認などに使えます。
| 比べること | 通知カード | マイナンバーカード |
|---|---|---|
| 基本の役割 | 番号を知らせる | 番号の確認、本人確認、電子サービスの利用 |
| 顔写真・ICチップ | どちらもない | 顔写真とICチップがある |
| 番号確認に使う場合 | 記載事項が住民票と一致することなどの条件がある | 番号確認書類として使える |
| 電子証明書によるログイン | 使えない | 電子証明書を使い、対応するサービスへログインする |
表の「番号確認」と「本人確認」は、確かめる内容が違います。
番号確認は「この人のマイナンバーは何番か」を確認することです。
本人確認は「手続きする人が、本人か」を確認することです。
通知カードに番号と氏名が書かれていても、その紙を持参した人が本人かどうかは、別の書類などで確かめる必要があります。
マイナンバーカードを使うときは、裏面で番号、おもて面で氏名や顔写真などを確認できます。
一枚のカードに複数の役割があるため、何を確かめる手続きなのかによって、見せる面や読み取る情報が変わります。

勤務先へ番号を出すとき、通知カードは使える?
通知カードの新規発行と再発行は、2020年5月25日に終了しました。
ただし、手元の通知カードに記載された氏名・住所などが住民票の記載と一致する場合は、引き続きマイナンバーを証明する書類として使えます。
この条件と、本人確認書類を別に用意する点を合わせて確認します。
新しい勤務先から「マイナンバーを提出してください」と案内された場面なら、まず、どの書類をどの方法で提出するかを案内で確認します。
通知カードを番号確認に使う場合は、その記載が住民票と一致していることを確かめ、指定された本人確認書類も用意します。
引っ越しや氏名の変更によって、通知カードの記載が現在の住民票と一致しなくなっている場合は、その通知カードを番号の証明に使う条件を満たしません。
マイナンバーカードや、マイナンバーが記載された住民票の写しなど、手続き先が認める書類を確認します。
ここでは「番号を手元で読むこと」と「提出先が認める証明書類を用意すること」が別になります。
古い通知カードから自分の番号を読み取れても、現在の手続きでその紙を受け付けてもらえるかは、書類の条件と提出先の案内で決まります。
一方、マイナンバーカードで提出する場合は、番号確認と本人確認に使う面がそれぞれあります。
コピーや写真を提出する方式では、提出先がどの面を求めているかを確認します。
番号の提出が必要な手続きと、顔写真付きの身分証明書として提示するだけの場面を分けると、必要な情報を選べます。
紙の書類を提出する場面では、ICチップをスマホで読む操作が必ず入るわけではありません。
おもて面や裏面の記載を見せる手続きでは、印刷された情報を使います。
ICチップが働くのは、対応する機器やサービスで、チップの情報や電子証明書を使う場面です。
スマホでログインするときは、電子証明書を使う
マイナポータルへログインする場面では、紙に書かれた番号を相手へ見せることとは違う確認が行なわれます。
マイナンバーカードに搭載された電子証明書を使い、ログインしようとしている人が本人であることを電子的に証明します。
電子証明書は、ネット上のやり取りで本人などを確かめるための情報です。
マイナンバーカードには「利用者証明用」と「署名用」の二種類があり、使う目的が違います。
どちらも電子証明書ですが、同じ場面で一律に使うものではありません。
| 種類 | 確かめること | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 利用者証明用 | ログインした人が本人であること | マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書交付など |
| 署名用 | 作成・送信した電子文書が本人によるものであること | e-Taxなどの電子申請 |
「利用者証明用」は、名前のとおり、そのサービスを利用する人を確かめるためのものです。
ログイン後に本人の情報を表示するサービスでは、その前に、誰がアクセスしているかを確認する必要があります。
「署名用」は、電子文書を作成・送信する人を確かめるためのものです。
ログインしたあと、申請書の内容を確定して送信するような場面で、署名用の電子証明書を使う手続きがあります。
サービスへ入ることと、書類を本人として送信することには、別の役割があります。
12桁のマイナンバーを知ることと、電子証明書で本人としてログインすることは別です。
通知カードの番号を読めても、電子証明書を使う機能はその紙にはありません。
マイナポータルなどでカードによる認証をする場合は、対応するカード機能と端末を用意します。
この区別が分かると、「通知カードをスマホのカメラで撮った画像」も、ログインに使う電子証明書とは役割が違うと分かります。
写真に残るのは紙面の見た目であり、ICチップに搭載された証明書を読む機能は、別に用意する必要があります。
カードを読む機能と、ネットへつなぐ機能
物理的なマイナンバーカードをスマホで読むときは、カードのICチップと通信できる端末を使います。
この近距離の読み取りと、行政サービスへインターネットで接続することは、通信の相手が違います。
カードを読む段階では、スマホとカードが情報をやり取りします。
ネット上のサービスへアクセスする段階では、スマホとサービス側のシステムが情報をやり取りします。
スマホの読み取り機能と、Wi-Fiや携帯電話回線によるネット接続の両方が、使う場面に応じて働きます。
そのため、物理カードを読む方式では、カードを手元に用意し、サービスが案内する対応アプリと対応端末を使います。
PCを使う場合には、ICカードリーダーなど、利用するサービスの案内に沿った方法で読み取ります。
スマホの機種やOSによって対応が変わるため、単に「スマホを持っている」ことだけで準備を判断しません。
また、現在はスマートフォンへマイナンバーカードの機能を搭載して利用する仕組みもあります。
物理カードを毎回読む方式とは準備や対応するサービスが異なるため、この説明では、まず手元の物理カードを使う基本の仕組みを扱っています。
スマホ側の機能を利用する場合は、対象サービスが案内する認証方法を確認します。
画面に「カードを読み取ってください」と出ている場面では、物理カードを読む方法が案内されています。
「スマートフォンのマイナンバーカードを利用する」と案内される場面とは、準備するものが違います。
サービスが求める方法に合わせて、自分の使い方を選びます。
ICチップには、何が入っているのか
ICチップには、電子証明書や、カードの券面情報を扱うための情報などが記録されています。
一方、税や年金の詳しい情報そのものは、カード内に保存されていません。
これらの情報は、担当する機関が管理します。
たとえば、行政サービスへログインして本人の情報を確認する場面では、カードの電子証明書を使って本人であることを確かめたうえで、サービス側の情報を表示します。
カードから本人確認のための情報を読むことと、サービス側にある記録を見ることは、別の段階です。
これは、電子車検証でタグに記録された車検証情報を読む仕組みとも、保存する内容が違います。
ICチップという部品を使っていても、何を記録し、何に使うかは、カードやサービスごとに決まっています。
カードの名前と、利用する機能を確認すると、中に何が入っているかを取り違えにくくなります。
マイナンバーカードには、おもて面を本人確認に使う機能、裏面の番号を確認する役割、ICチップの電子証明書を使う機能がまとまっています。
同じ一枚のカードを使っていても、毎回すべての情報を一緒に使うわけではなく、手続きの目的に応じた情報や機能が使われます。
暗証番号と有効期限も、使う機能に合わせて確認する
物理カードの利用者証明用電子証明書に対応する暗証番号は数字4桁、署名用電子証明書の暗証番号は英数字6〜16文字です。
ログイン用か、電子文書へ署名するためかで、求められる暗証番号が変わります。
画面に表示された機能名を見て、対応する番号を入力します。
12桁のマイナンバーは個人を識別する番号であり、これらの暗証番号とは別です。
カード上の番号を、暗証番号欄へ入力する使い方ではありません。
数字の長さだけで見分けるより、「何のための番号か」を画面の案内と照らし合わせると、入力するものが分かります。
暗証番号が分からないときは、思い当たる番号を繰り返し入力せず、公式の再設定案内を確認します。
一定回数間違えるとロックされるためです。
利用者証明用の暗証番号は、3回の入力誤りでロックされます。
再設定できる場所や必要なものは、どの暗証番号が分かるかなどの条件で変わります。
カード本体と電子証明書には、それぞれ有効期限があります。
カード本体のおもて面の有効期限が残っていても、オンラインの認証に使う電子証明書については、別に期限を確認します。
ログインに使いたい場合は、カードを所持していることに加えて、利用する電子証明書の状態も確認します。
有効期限や更新の案内は、J-LISの総合サイトや自治体の公式案内で確認できます。
個別の再設定手順を一通り試すより、カード本体の更新なのか、電子証明書の更新なのか、暗証番号の再設定なのかを先に確かめると、問い合わせる内容を具体的に伝えられます。
電子証明書を使うカードと暗証番号は、本人として手続きをするために使うものです。
日常の操作を手伝ってもらう場合も、暗証番号を人へ渡すことと、画面の案内を一緒に読むことは別です。
入力が必要な場面は、利用サービスの本人操作の案内に沿って進めます。
「個人番号通知書」は、通知カードとも違う
2020年5月25日以降、マイナンバーを知らせる方法は「個人番号通知書」へ変わりました。
名前が似ていますが、以前の通知カードと、現在の個人番号通知書は別の書類です。
個人番号通知書には、氏名や生年月日、マイナンバーなどが記載されています。
その役割は番号のお知らせであり、マイナンバーを証明する書類や身分証明書としては使えません。
番号が印刷されていることだけで、通知カードと同じ提出条件を当てはめないようにします。
手元の書類を確認するときは、見た目が紙かカードかだけでなく、正式な名前を見ます。
「通知カード」「個人番号通知書」「マイナンバーカード」のどれなのかを確かめてから、提出先の案内と照らし合わせます。
番号の証明が必要で、使える通知カードやマイナンバーカードが手元にない場合は、マイナンバーを記載した住民票の写しなどの方法があります。
必要な本人確認書類との組み合わせは手続き先によって案内されるため、指定を確認して用意します。
個人番号通知書をカメラで撮って送るだけで代用するのではなく、求められている書類の名前を確認することが先になります。
まとめ
通知カードは番号のお知らせ、マイナンバーカードは番号確認・本人確認・対応する電子サービスに使うカードです。
ネットでのログインには利用者証明用の電子証明書、電子文書の送信などには署名用の電子証明書が使われます。
番号を提出するのか、身分証明書として見せるのか、オンラインで本人として手続きするのか。
目的を先に確かめると、必要な書類、カード機能、暗証番号を選べます。
参考資料
情報確認日:2026年10月14日。
本文は物理カードと紙の通知書類の基本的な役割を説明しています。
対象サービスの対応環境・認証方法は、利用時の公式案内を確認してください。
- J-LIS:マイナンバーカードについて:カードの役割と二種類の電子証明書。
- J-LIS:通知カードについて:発行終了、番号確認に使える条件、本人確認書類との組み合わせ。
- J-LIS:個人番号通知書について:通知書の用途と、証明書類としての扱い。
- デジタル庁:マイナンバーカードとは:ICチップに記録する情報、カードと電子証明書の期限、スマートフォンの機能。
- J-LIS:利用者証明用電子証明書の暗証番号とは何ですか?:数字4桁の暗証番号と入力誤りによるロック。
- デジタル庁:マイナンバー制度のご案内:電子証明書の二種類の暗証番号。
- J-LIS:更新手続きについて:カード本体と電子証明書の更新。