固定資産税と都市計画税はなぜ両方?通知書と軽減の見方

書類を手に取り、不動産の税金を確認する人のイメージ 暮らし・サービス

固定資産税は土地・家屋・事業用の償却資産にかかる税金、都市計画税は主に市街化区域内の土地・家屋にかかり、都市計画事業などに使われる税金です。
対象となる住宅には両方がかかり、一般に一緒に通知されます。

納税通知書に二つの税額が並んでいたら、それぞれの「課税標準額」と税率を見ます。
同じ土地でも、二つの税金では住宅用地の特例率が違います。
両方の課税標準額を別々に確かめると、通知書の税額を追えます。

ここでは住宅の土地・建物を中心に、誰が払うか、計算の基礎、軽減、通知書の見方を整理します。
税率や地域独自の軽減は、不動産の所在地と課税年度で確認します。

固定資産税と都市計画税は、対象と使い道が違う

比べる点固定資産税都市計画税
対象土地・家屋・償却資産主に市街化区域内の土地・家屋
使い道自治体の幅広い行政サービスに使う普通税都市計画事業・土地区画整理事業に使う目的税
税率標準税率1.4%。実際は条例を確認上限0.3%。課税の有無と税率を条例で定める

固定資産税の家屋には、住宅のほか店舗・倉庫なども含まれます。
償却資産は、土地・家屋以外の事業用資産のうち一定のものです。
工場の機械、店舗の看板、駐車場の舗装などが例で、少額資産等には除外の条件があります。
都市計画税は、これらの償却資産にはかかりません。

都市計画税は、道路・公園・下水道などの都市計画施設の整備や土地区画整理の費用に充てられます。
固定資産税と別の税として、同じ土地・建物に併せて課税されます。

都市計画税がかかる区域を確認する

市街化区域とは、すでに市街地になっている区域や、おおむね10年以内に優先して計画的に市街化する区域です。
都市計画税は原則としてこの区域内が対象ですが、区域区分のない都市計画区域の一部など、条例で課税する場合もあります。

都市計画税を設けていない自治体もあり、市街化調整区域の例外的な扱いも含め、所在地の条例が基準です。
自治体の都市計画図や課税案内で区域を確かめ、境界にある土地や複数区域にまたがる土地は、所在地を伝えて担当窓口に確認します。

年の途中に買った家は、誰がその年の税金を払う?

原則として、毎年1月1日に登記簿や固定資産補充課税台帳などへ所有者として登記・登録されている人が、その年度の納税義務者です。
例えば2026年3月に中古住宅を売却しても、2026年度分は1月1日時点の所有者が自治体へ納めます。

買主が2027年1月1日にも所有していれば、原則として2027年度分から買主が納税義務者になります。
年途中で家屋を取り壊した場合も、原則としてその年度の税金は残ります。

売買の際には、引渡し日以後の負担分を買主から売主へ支払うなど、日割り精算を契約で取り決めることがあります。
これは当事者間の調整です。
1月1日か4月1日かという精算上の起算日、引渡し当日をどちらの負担にするか、未到来の納付分の扱いを売買契約書・精算書で確認します。

共有不動産では、共有者全員が全額について連帯して納付する義務を負います。
横浜市では通知書を共有者の代表1人に送り、持分ごとに分けて発行しません。
代表者に届いた総額を、共有者間でどう負担・精算するかも確認しましょう。

税額は「評価額」ではなく、それぞれの課税標準額から追う

固定資産評価額は、固定資産評価基準に基づいて自治体が評価し、台帳に登録した価格です。
売買価格や住宅ローンの残高とは別です。
課税標準額は、税率を掛ける計算の基礎となる金額で、土地の特例や負担調整などを反映します。

基本式は「それぞれの税の課税標準額×それぞれの税率」です。
単純な例として、両税の課税標準額がそれぞれ2,000万円、税率が1.4%と0.3%、税額の軽減がなければ、固定資産税28万円、都市計画税6万円、合計34万円です。

実際は、同じ自治体内の課税標準額を合算したり、端数を処理したりして税額を出します。
横浜市では、課税標準額合計の1,000円未満を切り捨て、税率を掛けた税額の100円未満を切り捨てます。
物件ごとの試算額を足すと、通知書の合計と差が出る場合があります。

土地・家屋は原則3年に一度評価替えを行いますが、土地の負担調整、新築・増改築、減額期間の終了などでも税額が変わります。
評価額が据置きの年も、課税標準額や税額の変化を別に見ます。

戸建てと集合住宅の模型のそばに、電卓とノートを置いたイメージ
土地と建物を分け、住宅の戸数や対象面積を確かめます。模型は説明用のイメージで、課税区分や軽減の適用を示すものではありません。

住宅用地の特例は、固定資産税と都市計画税で率が違う

住宅が建つ土地には、計算の基礎を小さくする特例があります。
次の率を価格に掛けたものが、本来の課税標準額である「本則課税標準額」です。
実際の当年度の課税標準額には、負担調整なども関わります。

住宅用地の区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地:住宅1戸につき200㎡まで価格の6分の1価格の3分の1
一般住宅用地:200㎡を超える対象部分価格の3分の1価格の3分の2

例えば、土地全体が住宅用地に当たる180㎡の一戸建てなら、全体が小規模住宅用地です。
300㎡なら200㎡までが小規模、残る100㎡は一般住宅用地として扱うのが基本です。
ただし、住宅用地の範囲は床面積の10倍までとなり、店舗兼住宅は居住部分の割合等も関わります。

アパート等では、戸数×200㎡までが小規模の基準です。
4戸なら800㎡までが基準となりますが、実際の敷地や床面積等による対象範囲も確認します。

同じ土地の価格から、二つの課税標準を計算してみる

全体が小規模住宅用地となる土地の価格が1,800万円で、負担調整や自治体独自の減額等を考えない例では、固定資産税の基礎は300万円、都市計画税の基礎は600万円です。

税率1.4%・0.3%なら、土地の固定資産税は4万2,000円、都市計画税は1万8,000円です。
土地は同じでも、掛ける前の金額が違うことが分かります。
建物の税金は別に計算するので、住宅全体の税額を6分の1とする計算にはなりません。

解体・建替え・空き家の状態で、土地の扱いも変わる

年内に住宅を取り壊し、翌年1月1日に住宅がなければ、翌年度は住宅用地の特例から外れることがあります。
一方、1月1日に建替え中でも一定の要件を満たせば、特例が続く仕組みがあります。
解体や建替えの前に、必要な申告と条件を担当窓口で確かめます。

また、空家法に基づき管理不全空家等・特定空家等への勧告を受けた敷地なども、住宅用地特例から除外されます。
土地の税額と、取り壊した建物の税額を分けて考え、不動産全体の変化を確認しましょう。

新築住宅の「建物の税額が半分」は、土地の特例と別の制度

新築住宅の減額は、要件を満たす建物について、居住部分120㎡相当分までの固定資産税を2分の1にする仕組みです。
土地の課税標準を小さくする住宅用地特例とは、対象も計算する段階も違います。

一般の住宅は3年度分、3階建て以上の耐火・準耐火住宅等は5年度分が基本です。
認定長期優良住宅は、それぞれ5年度分・7年度分となります。
単に長持ちする住宅という意味ではなく、所定の認定と申告等の要件を満たす必要があります。

横浜市の現行案内では、2026年4月1日以降に新築する住宅は、居住部分が40㎡以上240㎡以下などの要件です。
2026年3月31日までの新築は、50㎡以上280㎡以下、一戸建て以外の貸家は下限40㎡という従来の条件で判定します。
適用期限は2031年3月31日まで延長されています。

店舗兼住宅は居住割合、マンションは専有部分に共用部分の按分を加えた面積なども確認します。
例えば要件を満たす150㎡の住宅でも、減額するのは120㎡相当分です。
減額が終わる年度には、建物の価格上昇とは別に税額が増えることがあります。

一般の新築住宅の減額は固定資産税が対象です。
都市計画税には自治体独自の軽減がある場合があり、横浜市には認定長期優良住宅や一定の高断熱住宅等の制度があります。
建築日、認定、申告期限を、両税それぞれで確かめます。

免税点は、資産を種類ごとに合計して判定する

固定資産税には、同じ人が同じ課税区域内に持つ資産の課税標準額を、土地・家屋・償却資産ごとに合計して判定する免税点があります。
原則として土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円未満なら、その種類の固定資産税は課税されません。
同額以上は課税対象です。

例えば土地が18万円と17万円なら合計35万円、家屋が12万円と9万円なら合計21万円で、いずれも免税点以上です。
一方、土地25万円・家屋15万円なら、それぞれが免税点未満です。
土地と建物を混ぜたり、一筆ずつ判定したりせず、種類ごとに確認します。

基本は同じ市町村内の合計ですが、横浜市では区単位で判定します。
共有分と単独所有分の扱いを含め、課税する自治体で確認します。
固定資産税が免税点未満の土地・家屋は、都市計画税も課されません。

公共用道路など、用途や性質が法定条件を満たして非課税になる仕組みは、金額で判定する免税点とは別です。
新しい土地の取得や住宅の新築で合計額が増えれば、翌年度の免税点の判定も変わります。

納税通知書では、年度・明細・期限を順に確認する

通知書と課税明細書を開いたら、不動産の所在地、土地・家屋の区分、価格、それぞれの課税標準額、軽減の有無、税額を追います。
複数物件があれば、物件別の明細と全体の納付額を分けて見ます。

納期は全国一律ではありません。
横浜市は4月・7月・12月・翌年2月、東京23区は別の日程です。
年4回の各期分と年度分をまとめる納付書がある場合は、どちらを使うかを選び、同じ年度分を二重に払わないようにします。
一括納付の割引を見込むより、通知書の税額と納期限を基準にします。

金融機関・コンビニ・口座振替・スマホ決済等は、納付書と自治体の対応状況によります。
利用上限、取扱期限、決済手数料、領収証書の有無を確認します。
口座振替は登録開始時期と残高、スマホ等は納付履歴を確認し、支払済みの紙を再び使わないよう区別します。

課税内容への疑問は、住んでいる市ではなく、不動産がある市町村の固定資産税担当窓口へ相談します。
東京23区内は東京都が課税するので、所在地を担当する都税事務所です。
通知書の番号と所在地を用意し、窓口で必要な本人確認書類・代理人の委任状等も事前に確認できます。

まとめ

固定資産税と都市計画税は、対象・使い道・税率が違います。
納税通知書では、同じ土地・建物について二つの課税標準額と軽減を別々に見ることが、税額を理解する入口です。

住宅用地の特例と新築建物の減額、免税点を分けて読み、最後に年度の合計額と納期限を確認しましょう。
購入や解体の予定がある場合は、1月1日の所有・利用状態と契約上の精算も含めて確認すると、必要な支出を見通せます。

参考資料

情報確認日:2026年10月17日。
税率・独自軽減・納期限は、不動産の所在地と課税年度の案内で確認します。