振替休日と代休はどう違う?給与と翌週に休む場合の考え方

ノートパソコンの前で休みの取り方を考える人のイメージ 仕事・社会人

休日に出勤して別の日に休むとき、あらかじめ休日と勤務日を入れ替えるのが「振替休日」、休日に働いた分の休みを後から与えるのが「代休」です。
見た目は同じ1日休みでも、働いた日が休日だったかどうかが違います。

この違いは、休日労働の割増賃金に関わります。
代休を取った場合も、既に行った法定休日の労働には割増賃金が必要です。
適切に振り替えた場合はその日が勤務日になりますが、週の労働時間などは別に確認します。

一般的な会社員の勤務を例に、通知の見方、給与への影響、翌週や翌月に休む場合の確認点を整理します。
労働時間の例は、変形労働時間制などを用いない、原則1日8時間・週40時間の働き方を前提にしています。

同じ日曜日の出勤でも、休みの決め方が違う

日曜日が休日、水曜日が勤務日になっている会社で考えます。

日曜日の出勤より前に「日曜日を勤務日、水曜日を休日に入れ替える」と決めて通知するのが、休日の振り替えです。
働く日と休む日の扱いを、事前に交換します。
振り替える先の休日は、出勤日の前に置く場合も後に置く場合もあります。

一方、日曜日を休日のまま働き、代わりの休みとして水曜日を休むのが代休です。
こちらは日曜日に休日労働をした記録が残ります。

確認する点振替休日代休
働く日の扱い事前の入れ替えで勤務日になる休日のまま働く
休む日の決め方事前に、交換する日を具体的に決める休日労働の代償として休む日を設ける
法定休日の割増適切な振り替えなら、その日の休日割増は生じない法定休日に働いた分の割増が必要
振替休日と代休の見分け方

「今度どこかで休んでよい」と言われただけでは、交換する日が特定されていません。
勤務先で「振休」と呼ばれていても、勤務表や通知で、どの日とどの日を入れ替えたのかを確かめると整理できます。

代休を取る予定日を先に話し合っている場合も、見るべき点は休日と勤務日の交換が行われたかどうかです。
休む日をいつ相談したかだけで区別するより、出勤した日の扱いを確認する方が確かです。

休日出勤なら、割増はいつも35%?

会社の休日には、労働基準法で確保する「法定休日」と、それに加えて会社が設けた「法定外休日」があります。
法定休日は原則として毎週少なくとも1日、または4週間に4日以上です。

例えば土日休みで日曜日を法定休日としている会社なら、土曜日は法定外休日です。
日曜日が法定休日かどうかは勤務先の定め方によるので、曜日だけで決めず、就業規則や勤務表で確認します。

働いた時間の区分割増率の基本
法定休日の労働35%以上
法定労働時間を超える労働原則25%以上。月60時間を超える時間外労働は50%以上
深夜の労働(22時〜翌5時)25%以上を加算
法定の割増率を確認する基本

法定外休日に働いた分は、原則1日8時間・週40時間などの法定労働時間を超えた部分が時間外労働になります。
会社独自の休日手当があれば、その規定も確認します。

例えば法定休日の昼間に8時間働く場合は、8時間分に35%以上の割増が必要です。
その日のうち22時以降にも働けば、その時間には深夜の割増も加わります。
法定休日の深夜労働なら、35%と25%を合わせた60%以上の割増となります。

卓上カレンダーを手に、出勤日と休む日を考える人のイメージ
働く週と休む週を分けて、勤務表上の時間を確認します。写真のカレンダーは本文の勤務例を示すものではありません。

振替休日を翌週に取ると、給与はどうなる?

適切に休日を振り替えても、働いた週の時間が法定労働時間を超えた分には時間外割増が必要です。
別の週に休んだ時間と、単純に相殺する仕組みではありません。

月曜日を週の始まりとし、月〜金に各8時間、合計40時間働く会社で考えます。
土曜日は法定外休日、日曜日は法定休日とします。

休みにする日土曜日を含む週翌週
同じ週の水曜日月・火・木・金・土に各8時間で40時間通常どおり40時間
翌週の月曜日月〜土に各8時間で48時間火〜金に各8時間で32時間
土曜日に8時間働き、平日と事前に入れ替える例

後者では、働いた週の40時間を超える8時間に、原則25%以上の時間外割増が必要です。
翌週が32時間でも、前の週の8時間が消えるわけではありません。
同じ週に収めた前者は、この例では週40時間に収まります。

実際の計算では、勤務先の週の区切り、1日の実労働時間、適用される労働時間制度も確認します。
変形労働時間制やフレックスタイム制などでは判定方法が異なるため、この表の48時間から40時間を引く方法をそのまま全員に当てはめず、勤務先の制度に沿って確かめます。

ノートパソコンの前で書類を確認する人のイメージ
勤怠記録と給与明細の内訳を照合します。書類の記載内容を説明する画像ではありません。

代休を取った日の給料と、休日に働いた分は分けて見る

代休を有給にするか無給にするかは、就業規則や賃金規程などで確認します。
代休取得日の賃金をどう扱うかと、休日に働いた分の賃金・割増をどう支払うかは、分けて考える項目です。

法定休日に働いた分には35%以上の割増が必要です。
代休日を無給とする規定があっても、そのことを理由に休日労働の割増分までなくすことはできません。

例えば給与明細に「休日手当」があり、別に代休日の控除があれば、それぞれ何時間分をどの単価で計算したのかを見ます。
名称は会社ごとに異なるため、「代休を取った月は手当が少なかった」という金額の見た目だけで判断せず、勤務記録と内訳を照合します。

月をまたいで休む場合は、休日に働いた月と代休取得日の月で、賃金や控除の記載が分かれる場合があります。
どの締め日・支払日に対応する処理なのかも、人事や給与の担当者へ確認すると話が通じやすくなります。

「いつまでに休む」「誰が日を決める」は、どこを見る?

休日の振り替えでは、就業規則などの根拠に沿って、事前に入れ替える休日と勤務日を具体的に定め、本人へ知らせることが必要です。
出勤を終えた後に勤怠の名称だけを「振替休日」へ変える処理とは区別します。

法定休日を確保する条件も満たす必要があります。
休みを離れた日に設定するときは、会社が採用している週1日または4週4日の休日の取り方に合っているかを確認します。
できるだけ近い日を候補にすると、休養と日程の対応を把握しやすくなります。

代休には、会社が「休日勤務から1か月以内」「同じ給与計算期間内」などの期限を設けている場合があります。
申請期限、取得単位、承認する人、業務の都合で期限内に取れないときの扱いを、社内規程や勤怠システムの案内で確認してください。

日程は会社の規定と本人の予定、業務の調整を踏まえて決めます。
希望する日がある場合は複数の候補を早めに伝えると調整しやすくなります。
休めないまま期限が近づいたら、取得予定と連続勤務の状況も添えて上司や人事へ相談します。

就業規則に見当たらない場合も、労働条件通知書、勤務表、出勤指示の内容などを合わせて確認します。
判断がつかない場合は、該当する出勤日と休む日、通知された時点を具体的に示して担当部署へ問い合わせられます。

振替休日・代休は、有給休暇とは別の仕組み

年次有給休暇は、勤務する予定の日に、賃金を受け取りながら休む制度です。
休日の配置を変える振り替えや、休日労働の代償として設ける代休とは、休む根拠が異なります。

「代休」の申請をしたのに年休の残日数が減っていたら、どの制度として処理されたかを確認します。
既に休日になっている振替休日や代休日に、さらに年休を重ねて取得するものではありません。

年休には、本人による時季の指定のほか、労使協定に基づく計画的付与や、法定の年休付与日数が10日以上の人に対する使用者の年5日の時季指定という別のルールがあります。
計画的付与は年休のうち5日を超える部分が対象で、使用者による時季指定は本人が取得した日数や計画年休の日数を差し引いて考え、本人の意見を聴く必要があります。
代休を設けたことだけで、これらの手続きが済むわけではありません。

勤務表と給与明細を、どう確認すればいい?

確認するときは、次の記録をそろえると「呼び名の違い」から具体的な処理の話へ進めます。

  • 出勤前後の勤務表と、入れ替える日を知らせたメールなど
  • 実際に働いた日・時間と、休んだ日の勤怠記録
  • 法定休日、週の区切り、代休の賃金・期限を定めた規程
  • 該当する給与明細と、休日手当・時間外手当・控除の内訳

例えば「日曜日に8時間出勤し、水曜日に休みました。
事前の振り替えなのか代休なのかと、割増の計算を確認したいです」と尋ねると、担当者も記録をたどりやすくなります。

勤務先の説明と記録が合わず、法定の割増賃金などに疑問が残る場合は、労働基準監督署などの公的窓口へ相談できます。
個別の適用は勤務条件によって変わるので、上の記録を手元に用意してください。

まとめ

振替休日は休日と勤務日の事前の交換、代休は休日労働の代償となる休みです。
名前だけでなく、働いた日がどのように扱われたかを見ると違いが分かります。

給与を確認するときは、法定休日かどうか、働いた週の時間、休む日の賃金という順に分けます。
休む日を決めた通知と実際の勤怠を残しておくと、翌週・翌月に休む場合も処理を確かめやすくなります。

参考資料

情報確認日:2026年10月17日。
休日の振り替え、割増賃金、年休の別制度を次の公式資料で確認しました。