内定は、正式に採用する意思を示す段階、内々定は、その前に採用する予定を伝える段階を指すのが一般的です。
内定では入社前に労働契約が成立していると判断されることが多く、内々定ではまだ契約に至っていないことが多いという違いがあります。
受け取った連絡を読むときは、名称に加えて「何が決まり、何の手続きが残っているか」を確認します。
通知の内容や返答の経緯によって、契約の成立や取り消しの扱いが変わるためです。
内々定後の就職活動、承諾書の確認、辞退や取り消しの相談まで、連絡を受けた後に必要な判断を順に整理します。
内定と内々定は、何が決まっている段階?
| 見る点 | 内々定 | 内定 |
|---|---|---|
| 通常の位置づけ | 正式な採用内定より前の、採用予定の連絡 | 正式な採用の決定 |
| 労働契約 | 通常は成立前。ただし実際の拘束や合意を含めて判断する | 入社日を開始時期とする契約が成立したと判断されることが多い |
| 次に確認すること | 残る選考・社内承認、正式通知の予定、回答期限 | 労働条件、入社日、入社前の手続き |
労働契約は、働く人と会社が雇用について合意する関係です。
4月入社を予定して前年に採用内定を受けた場合など、実際に働き始める前に成立することがあります。
内定には、入社日から働く予定と、卒業など一定の条件を満たさない場合の取り消しに関する留保が付くことがあります。
一方、「採用予定ですが、最終承認後に改めて通知します」と案内された段階なら、どの承認が残り、いつ結論が出るのかを確認します。
応募者がすでに承諾したか、以後に契約成立のための特別な意思表示を予定しているかなど、実際の経緯が大切です。
通知書・メール・電話は、内容と返答をセットで残す
採用内定には、法律上の一律の定義や書類の形式があるわけではありません。
書類の表題とともに、採用の意思、条件、残る手続き、本人の返答を確認します。
電話や面接中の口頭連絡でも、その内容が判断の材料になります。
たとえば「最終面接に合格しました」という連絡なら、採用決定まで含むのか、条件提示や社内承認を待つのかを尋ねます。
「今回のご連絡は、正式な採用内定という理解でよろしいですか。
今後の手続きと労働条件のご案内時期も確認させてください」と聞くと、確認したい点が伝わります。
口頭の案内は、日時、担当者名、話した内容をメモし、条件はメールや書面でも案内してもらいます。
求人票、通知書、自分の返答までまとめると、後から経緯を確かめられます。
新卒の内定は10月?内々定からの予定を確認する
政府が企業などへ要請する大学等の就職・採用活動日程では、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降とされています。
2026年度・2027年度卒業予定者向けの案内でも、この日程が示されています。
これは採用活動の日程に関する要請です。
労働契約が成立しているかという法的な判断は、通知や合意の実質で行います。
「10月1日を迎えたか」という日付だけで、個別の契約関係を判断しません。
新卒では、選考、内々定、正式な内定通知、入社準備、卒業・入社という流れが一例になります。
たとえば6月に内々定、10月に正式通知、翌年4月に入社という日程です。
企業や採用枠に応じて予定が違うため、今後の面談、資格・卒業の条件、提出書類、入社予定日を確認します。
内定式への参加と、採用の通知は別の確認事項
内定式は、企業の説明や内定者の顔合わせなどを行う行事です。
式の有無より、正式通知がいつ、どの方法で届くかを確認します。
内々定者向けの交流会や職場見学も、参加目的、必須かどうか、費用や日程を案内に沿って整理します。
中途採用では、最終選考後に条件提示と入社日の調整へ進み、内々定という段階を分けない企業もあります。
内々定と呼ばれた場合は、最終承認や条件調整が残っているか、正式通知の予定はいつかを尋ねます。
新卒の日程をそのまま当てはめず、個別の案内で確認します。

承諾する前に、通知書と働く条件を照合する
内定通知書は会社の採用意思を伝える書類、内定承諾書や入社承諾書は応募者が入社意思を伝える書類です。
「誓約書」や電子フォームなど、名称や提出方法は会社によって異なります。
記載された条件と、自分が何に同意するのかを読んでから返答します。
通知書に詳しい条件がなければ、別紙の労働条件通知書や雇用契約書で確かめます。
面接や求人票と違う説明があれば、採用担当者へ質問し、回答を控えておきます。
- 入社日と契約期間、更新の条件
- 仕事内容・勤務地と、将来変更される範囲
- 基本給、各種手当、固定残業代の金額・時間、賞与の条件
- 始業・終業、休憩、休日、休暇、勤務形態
- 試用期間の長さと、その間の給与などの条件
- 卒業・資格などの前提条件、返答と書類提出の期限
仕事内容や給与と合わせて、通勤、研修、身につけたい経験、評価や異動の仕組みも、自分が重視する順に比べます。
会社名や提示額だけでなく、日常の働き方まで具体化すると、承諾する理由を整理できます。
内々定後も就職活動を続けるなら、回答期限を整理する
内々定を受けた後も、自分の進路を選ぶために他社の選考を受けられます。
企業から示された回答期限、選考中の面接日、結果が出る予定日を並べ、いつ判断できるかを考えます。
期限までの判断が難しい場合は、期限前に回答日の延長を相談します。
たとえば「ご連絡ありがとうございます。
進路を慎重に検討したく、○月○日まで回答をお待ちいただくことは可能ですか」と、希望する日を明示します。
延長できるかは企業の回答を確認し、返答の約束を記録します。
複数社を検討するときは、会社ごとの回答期限を日付と時刻まで残し、相談日、企業の回答、次の連絡日を管理します。
判断が固まった会社には早めに連絡すると、採用準備の調整にも役立ちます。
他社の選考をやめるよう強く迫るなど、自由な職業選択を妨げる「オワハラ」で困ったときは、学校のキャリアセンターや新卒応援ハローワークへ相談できます。
長時間の拘束、承諾の強要、書類の内容など、実際に求められたことを伝えます。
辞退を決めたら、早めに明確な連絡をする
内定や内々定を承諾した後でも、進路変更などで辞退を伝えることはできます。
入社しないと決めた時点で連絡し、返答せずに期限や入社日を過ぎないようにします。
会社の準備が進む前に伝え、必要な手続きを確認します。
連絡では、氏名、選考や通知へのお礼、辞退する意思、連絡が遅くなった場合のおわびを簡潔に伝えます。
「内々定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
慎重に検討した結果、誠に恐縮ですが辞退いたしたく、ご連絡しました」のように結論を明確にします。
理由を尋ねられた場合も、事実に沿って必要な範囲で説明します。
指定された連絡方法があればそれに従い、入社日が近いなど急ぐ場合は営業時間内に担当者へ電話します。
つながらなければ、氏名と辞退の用件を件名にしたメールで意思と連絡可能な時間を残せます。
電話で伝えた後に確認のメールを送ると、経緯も残ります。
承諾書の提出後は、準備中の手続きも確認する
承諾書や案内メールを読み直し、書類・貸与品の返却、健康診断や研修の予約の扱いを確認します。
無期・有期などの契約条件や、通知までの経緯によって法律上の扱いも関係するため、直前の辞退や費用請求で争いになった場合は、資料を持って相談します。
厚生労働省は、内定辞退は基本的に問題ない一方、著しく誠実さを欠く事情では損害賠償が問題になる可能性も示しています。
通常の辞退と、個別の請求や紛争への判断を分け、強い要求を受けたときはその場で支払いなどを約束せず、根拠を確認して相談します。
取り消しを告げられたら、理由と通知の記録をそろえる
採用内定によって労働契約が成立している場合、取り消しには客観的に合理的で、社会的に見て妥当な理由が必要です。
会社には取り消しの理由と根拠を具体的に説明してもらい、書面やメールで残します。
卒業・必須資格の条件を満たせない場合、重要な経歴の相違、健康状態の変化、経営悪化なども、仕事との関係や事情の重大さ、取り消しを避ける対応などを踏まえて判断されます。
条件を満たせない見込みが分かったときは、その時点の事実と今後の見通しを採用担当者へ伝えます。
内々定の段階でも、採用を確信させる説明や他社選考への拘束など、経緯が問題になる場合があります。
労働契約が成立していたかに加えて、合理的な理由のない撤回で生じた不利益などが個別に検討されます。
相談には、求人票、内定・内々定通知、労働条件の資料、承諾書、メールの全体、電話や面談のメモを用意します。
応募、連絡、自分の返答、取り消しを告げられた日を時系列で並べ、現在の回答期限や入社予定日も伝えます。
在学中は学校のキャリアセンター、新卒や卒業後間もない人は新卒応援ハローワーク、労働関係の相談は総合労働相談コーナーを利用できます。
受付時間や予約の有無、利用対象を公式案内で確認します。
取り消しへの対応と、その後の就職活動の支援を合わせて相談できます。
まとめ
内々定と内定は、採用までの段階を表す言葉です。
通知を受けたら、決まった条件と残る手続き、回答期限を確認します。
契約の扱いは、名称とともに通知・合意の実質で判断します。
承諾前に働く条件を照合し、辞退は決めた時点で連絡します。
取り消しや強い拘束で困ったら、通知とやり取りの記録をそろえ、学校や公的窓口へ相談してください。
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提示された条件に試用期間がある場合は、その間の給与や保険、期間終了時の扱いも確認できます。
参考資料
情報確認日:2026年10月17日。
個別の契約の成立や取り消しの効力は、具体的な経緯を示して相談する事項です。
- 厚生労働省:採用の内定・内々定の取消と辞退(契約の実質、取り消し、辞退)
- 厚生労働省:大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期(内定日程とオワハラ防止の案内)
- 厚生労働省:人を雇うときのルール(労働条件の明示)